「投資」という言葉はとりわけビジネスでよく出てくるワードです。
ただ、プライベートにも投資はあります。
さらには、人生規模で考えると、時間と投資は密接なものだと思います。
何となく使うこともあるこの投資、自分なりの考えを書いてみます。
投資の種類
お金を出すという投資
投資とは、調べると「将来、利益などのリターンを得るために資金を出すこと」のような意味でつかわれます。
このように、投資といったらまず「お金を出すこと」が浮かびます。
これはイメージしやすいかと思います。
例えば、10万円の機械を導入して仕事をして、将来20万円が入ってきたら投資の成果あり、みたいな。
逆にそれが5万円しか将来生まなければ、「投資の失敗」とかいいます。
工場建設とか、買収とかも、お金をかけて将来もっと大きなお金を生み出すための投資といえます。
公認会計士とか税理士として仕事していると、このようなお金をどのように使って投資していけばよいのかなど、クライアントと話す機会は多いです。
時間をかけるという投資
でも投資というのは、なにもお金を出すことが全てではありません。
例えば、「時間をかけること」も投資です。
一見わかりづらいですが、どういうことかというと、例えば
いまの仕事をするのに自分の能力では3時間かかる。(現状)
↓
その仕事を早く解決するためのノウハウをつけるために「本を読む、人に会う、自分で死ぬほど考える」。(時間をかける)
↓
結果、30分でできるようになる(結果)
↓
それにより、今まで人生で掛けていた2.5hが浮く(投資のリターン)
こんなイメージ。
つまり、「いま時間をかけることによって、結果的に、将来自分の自由な時間を生み出すこと」
という感じかと思います。
この場合、その解決策を見い出すために時間以外に結局お金がかかる可能性もありますが、ことの主眼はあくまでも「時間を増やすというリターン」を目的としており、直接的にお金を増やす目的の投資ではありません。
これが、「時間を投資する」ということだと思っています。
時間を投資することの重要性
しがらみからの脱却
労働している時間だって、人生の一部です。
時間を投資するというのは、意識していないと実践するのは難しいと思います。
それは、往々にして、いままでのやり方を変えていく必要が出てくるケースが多いからです。
会社では、既存のルールや方針に従って進んでいく仕事が多いと思います。
中には、「前任から引き継いだ仕事を特に疑問もなく同じやり方でしている」とか
「この資料の存在意義がわからない」と思いつつも作り続けている場合もあると思います。
サラリーマンの中には「変化を嫌う」人種が多いため、(特に年功序列に生きる組織の上層部に多い)、変えようと思っても、組織にいる方は動きづらいケースもあるかと思います。
独立してフリーランスのような方は、比較的、色々動きやすいかと思いますが、このように、いまの現状を変えるのは、しがらみから脱却する必要があります。
そのためには、上司への交渉、目に見える成果の立証など一定の努力(時間)が必要です。
人生という時間を意識する
「それを成し遂げるために、いまは時間や労力を大量に使うけれど、将来、その効果あって自分の時間が作れるようになる」のであれば、それをやる価値は十分にあるかと思います。
ビジネスでもそうですし、プライベートだって同じです。
小難しいことばかりでなく、ささいなことでも。
例えばより生活しやすくなるために、家族の動線を考慮した家具のレイアウトを時間をかけて考えぬくことだって、無駄な動きやストレスを減らす投資といえるかも知れません。
独立してから(独立を意識するようになってから)、この「時間にかける思い」がだんだん強くなりました。
公認会計士の勤務時代、「忙しい=かっこいい」みたいな謎のステータス感を抱いていたこともありました。
ただ、これは誤りでした。誰もリターン得てないし。振り返ると、何かアホだなあと思います。
極端でもないのですが、「お金」は増やすことに上限はありませんが、「時間」は誰でも24hしかありません。
やれることには限りがあるのです。その中で、「自分が好きなことを最大限やる」ということを突き詰めたいのであれば、この時間の投資に対する考え方、姿勢はマストになってきます。
人生規模で考えると、自分にとって最も重要な資源は「金」ではなく「時間」だということに気づきました。
税理士として独立してからは、とりわけ、ひとり税理士をやるのであれば、タイムマネジメントは生命線になります。働き方の指針になるからです。
※かといって別に、おかねもあるわけではないです。
時間を投資するには(天引きの発想)
いままでは「長時間働くこと=働くこと」という図式が少なからずあり、時間をかけることは良しとされてきました。
でも、今はどちらかというと「成果」に対して価値に重きを置く考えが大きくなり、いわゆる終身雇用や年功序列が新興企業ほど馴染まなくなってきています。
これは、「働く側」の選択肢が増えていることも関係します。
これからは、時短労働、成果報酬(インセンティブ)、テレワークなど、時間や場所に囚われない働き方が今後のスタンダードになってきます。
そうすると、いかに自分の成果を最大限引き出すかということを考えるときに、この時間の投資のノウハウが必要になります。
そこで、「時間を投資する環境作り」が大事なわけですが、僕は「予め天引きする」ことを意識しています。
例えば、新しいインプットをしたいときには「〇時~〇時は予定をいれない」とか「今日は動ける8時間のうち6時間しか既存業務をしない」という感じで、予め「時間を天引きしておく」ことです。
だいたい、「今日の予定が全部終わって時間が余ってたらやろう」とか考えていると、「今日は急用が入ったから明日にしよう」とかいつもの感じになる訳です。
しかもその「今日の予定」って、今までのやり方で何となくやり続けているだろうから、明日も同じ結果になるでしょう。
永遠に時間を取り戻せないわけです。
このように、時間を生み出すことは、場合によってはお金を増やすことと同じくらい難しいかもしれませんが、間違いなく、お金よりも時間を取り戻せた方が人生が豊かになると信じています。
まとめ
時間を投資するという話は、一度真剣になってじっくり考えても良いと思います。
私は独立して以降、「仕事」と「プライベート」の垣根を取っ払う方向性を考えています。
自分で選んだ仕事なのだから、分ける必要もないし、どちらも「自分の人生の時間」だからです。
だから、「仕事だから仕方ない」とか諦めるのは、違うと思うんです。
仕事の時間も、人生です。そう簡単に、自分の人生を諦めない方が良いと思います。
うまく創意工夫して、自分の時間を取り戻す、人生を楽しむ時間を創っていけたらと思います。