こんにちは、おでんの食材で好きなベスト3は餅巾着(3位)、大根(2位)、玉子(1位)な税理士の磯谷です。
玉子は大差で1位です。
ところで、今回は独立に関するテーマのうち、「小口+複数の収入をつくる」というものです。
独立するとき、それを思いとどまらせる要因がいくつかあります。
その一つに「収入源が1つしかない」というのがネックになることが多いです。
生活の基盤である収入が、独立によって影響を受けるのは致し方ないですが、出来るだけ振れ幅を少なくするに越したことはありません。
これについては、「小口+複数の収入源」をつくることが解決策になります。
また、独立云々ではなく、これからはサラリーマンなどの雇用されている方についても、このスタンスは必要になり、スタンダードになっていくと思います。
このあたり、考えてみます。
※キャンプにて。今度は焚き火でおでん作ろう
収入源が1つしかない=金・場所・時間全て1つに依存している状態
サラリーマンを想定すればわかるように、多くのケースは1つの場所・組織に所属する形で収入を得ています。
これは日本の古来の「終身雇用」「年功序列」が根付いている結果であり、無意識に「それが当たり前だ」と刷り込まれているともいえます。
僕もかつてそうでした(監査法人に10年勤めました)。
これは、考え方によっては、その場所・組織1つに
①収入源
②場所
③時間
が「依存している」ともいえるので、いざ独立しようと考えた時に、動きづらくなる要因となります。
というのは、独立するとその場所・組織から離脱することとなる可能性が大きいと思うので、収入が「100か0か」みたいな極端な状況になります。
また、場所も時間もそこに捧げているため、新しい動きをしようにも、なかなか自由に動けない、というのが不安材料になります。
「独立する」というと、何か全てをリセットして全く新しいことを莫大なリスクを負って始める、みたいなイメージがありますが、独立するからといって、別に収入が「100か0か」みたいな状況にならないといけないかというと、必ずしもそうではないと思っています。
というか、それは危険なので回避したいものです。
「小口+複数の収入源」を作る努力をする
このような「収入依存型」から脱却する方法のひとつが、「小口+複数の収入源を作る」ことだと思います。
・「小口」
・「複数」
この2つがポイントです。
「小口+複数」とする理由は、偏りなく、かつ場所と時間の制約を軽くするためです。
・「100か0か」の極端な状況に陥りづらくなる
=何か1つポシャっても致命傷を負わない。
・各仕事の量・かける時間が薄まる
=手離れが良くなる。仕事を選べる。調整・配分をカスタマイズできる。
例えば、①月50万円×1ヶ所の給与収入が得られる仕事と、②5万円×10個の仕事の場合。
①は、一般的な雇用の働き方のような感じです。
そこにがっつり依存してます。
そこ1つに場所・時間も拘束され、かつ何かあったら、収入がいきなり0になるリスクがあります。
また、そこが気に入らない環境であっても、我慢せざるを得ないです。
②は、1件あたりは少額ですが、10個に分散しています。
そのため、いきなり収入が0になる確率は低いです。
また、場所や時間が1ヶ所に固定されないので、働き方が柔軟に対応できるし、拘束がないのでスキマ時間で更に色々出来る余地もあります。
環境変化などによって仕事の継続が難しくなっても、それほど多くの犠牲を払わずに辞めることもできます。
独立を考えたときに、どちらが身軽かというと、場所と時間が拘束され、収入も100か0になる可能性のある依存型より、微調整できる余地のある小口+複数の収入があるモデルの方が、物理的にもメンタル的にも動きやすいんじゃないかと思います。
じゃあ、どうするのか。
結構色々あります。
身近なものでいえば、例えば、いまはネットとスマホなどのテクノロジーのおかげで、誰もが小口の収入を得やすい環境にありますし、場所も時間も拘束されないで動くことが出来ます。
・メルカリ、ヤフオクなどで物販
・エアビー、Uberなどのサービス系
・インスタ、ブログ収入などネット系のツール
ネットやスマホのテクノロジーで、簡単に小売店になれるし、不動産屋みたいにもなれるし、趣味を極めた発信により収入を得る機会が増えています。
その他、アイデアひとつで小口収入を作る機会はいくらでもあり、昔よりもはるかに恵まれていると思います。
こういう流れから、買い手も、個人レベルのスキルを買う方向性になっているのではと感じます。
個人が活きる、注目される時代になってきています。
もちろん、簡単ではないですが、「機会」は比較的あるということです。
サラリーマンのように、例え1ヶ所に集中しているような場合でも、小さい規模のもの、かつ手離れの良いものであれば、小口+複数の収入をつくる余地はあると思います。
むしろ、大口の案件を取ろうとする動きは収入・時間・場所に関して依存型となりやすく、勝手が悪くなります。
あえての「小口+複数」が、いいです。
独立した後であっても、「小口+複数の収入源」をキープするというのは、同じく大事なことです。
たまに、1つの得意先しかいない会社や個人事業を見ますが、これはこれでやはり危険です。
こっちは、サラリーマンの給与よりもはるかに貸し倒れリスク(入金されないリスク)が常にあるため、これも「依存型」といえます。
このような形の経営者は、常に何とかしようと危機感を持って考えています。
税理士であっても、「小口+複数の収入源」というモデルは意識しています。
顧問契約ひとつとっても、小口+複数が基本ですし(単価×件数のバランスは戦略や好みが出ます)、サービスも、単発相談、セミナーなど小口で複数こなせるものや、融資や相続など仕事のバリエーションも考えます。
(極端な話、税理士だからといって税理士業しかしてはならないことは全く無いし、これからは異分野を組み合わせて仕事のバリエーションを持つことが必要だと常々自分に言い聞かせています。。)
なお、僕の場合は、基本的に公認会計士と税理士をやっていますが、税理士として独立してから5年間は、個人事業以外に、公認会計士として監査法人に非常勤という形で勤務し、ダブルワークしていました。
なので、「税理士として独立した」といっても、ベーシックとなる収入は監査法人のほうでも得ていました。
これは正社員時代の頃と比べて、工数(勤務日数)と給与収入が1/3以下になりましたが、それでも拘束が無くなったので、別の新しい動き(税理士としての活動)と生活の危機をうまくバランスすることができました。
その頃に第1子が生まれているので、あまり極端な決断は出来なかったという要素もあります。
現在は監査法人は退職していて税理士一本ですが、最終的には監査法人からの収入は年収の約10%となっており、他の仕事と同じような「複数のうちの一つ」という位置づけになっていました。
結果的に、とても独立しやすかったです。監査法人には感謝しています。
ついでに、税理士事務所とは別に法人も作っています。
こちらは、税務に直接関連しない設立、創業融資、コンサル、セミナー、バックオフィス支援などの派生業務を扱っています。
大きなくくりで、税務+αをやっておきたいので、このような形で現在は活動しています。
独立する前も後も、動くべき方向性は似ていると思います。
1ヶ所しか収入が無いのは逆にリスク
収入が1ヶ所に依存している状態は、やはり危険です。
これは終身雇用が崩壊しつつある現在では、今までより危機感を持つべきだと思います。
(このあたりを考えて僕は独立した感じです。。)
「安定収入」という言葉がありますが、正確には「固定収入」なだけです。
「安定=継続して得られる」みたいなのは全然保証されてませんし、会社だって絶対的な存在ではないからです。
第一に会社は営利企業ですから、いざというときは従業員ひとりひとりの生活の保障までは出来ませんし、そもそもそれが目的ではありません。
会社の都合(業績)ひとつで自分の生活が左右される状態というのは、不可抗力しかなく、対応できません。
考えれば考えるほどリスクしかないと思います。
そのような状況下であっても、出来るだけ、自分でコントロール可能なツールを身に付けるなり、環境を作っておくべきだと思います。
まとめ
「小口+複数の収入源」を創出しておく動きは、独立するハードルを下げてくれる要素となり得ます。
このスタンスは、独立後の商売においても、色々メリットとなる要素が多いものです。
さらには、独立云々というより、サラリーマンであっても、終身雇用が崩れた今、これからは自分で生きていくための引き出しをもっと積極的に作っていくべきとも思います。
結局、独立するためというよりは、形態はどうあれ、これからの仕事のスタンス的な話になりました。
編集後記
おでんには、からしも付けたい派です。
練り物系は、あんま好きじゃないです。