こんにちは、サウナに入ると600~700グラムは体重が減る税理士の磯谷です。
「サウナ→水風呂→外気浴」は3セットします。
ところで、不動産に関する支払いって、色々ありますよね。
毎月発生する家賃のほかに、敷金、礼金、更新料、賃貸保証料など。。
事務所や社宅を契約する場合、このような不動産にまつわる支払いは避けては通れません。
今回は、このような不動産の賃貸契約の際の注意点や不動産に関する支払い内容の種類、それぞれの会計上・税務上の取り扱いを整理したいと思います。
~こんな人におすすめの記事です~
①事務所や社宅をこれから契約したい方
②家賃・敷金礼金・更新料・保証料など項目別の会計処理を知りたい方
③家賃等の消費税の取り扱いについて知りたい方
新規契約するときは法人名義か個人名義のどちらか?
事務所と社宅の場合で、契約名義は注意が必要です。
事務所の場合
法人を前提にお話ししますと、まず事務所を新規契約する場合は「法人名義」で契約しましょう。
当たり前といえばそうなのですが、代表者などの「個人名義」で契約しているケースって結構あるんです。
例えば、会社設立する前に事務所契約した場合は、設立登記前なので法人がそもそも存在しないんですよね。
だから、最初は個人名義で契約して、法人が出来たら名義変更しようかな、といったパターン。
あとは、個人事業→法人成りした場合で、実態は何も変わらないから名義変更をあえてしないパターン。
また一番気になるのが、「税務調査で個人契約の家賃が経費に認められるかどうか」かと思います。
結論としては「事業としての使用実態が説明可能なら個人名義でも経費でOK」です。
ただ、個人名義のものを法人経費だと説明すること自体が面倒ですよね。
個人契約でないといけない理由って、通常はあまり無いと思います。
基本に忠実に、法人名義での契約をおすすめします。
ちなみに、許認可事業の場合は要注意です。
許認可系は極めて形式重視ですから、実態が事業用であれ、契約主体の違いによって審査等が通らないケースがあります。
社宅の場合
社長や従業員が居住するための社宅を契約するケースがあります。
この場合は、必ず「法人名義」で契約してください。
個人名義での契約では、ただの個人の賃貸契約となり社宅の節税スキームが使えません。
社長がいつの間にか引っ越ししており、聞いてみると普通に個人名義で契約していることがあるのですが、法人名義にするだけで税務上の取り扱いは全然異なります。
家賃・敷金礼金・更新料・保証料などの会計処理
不動産に関する支払いには色々な種類があります。
それらの会計上・税務上の処理について整理します。
家賃
まず、家賃は販売費及び一般管理費の「地代家賃」で処理します。当然に経費です。
月末までに翌月分の家賃を支払うようなケースでは、以下の仕訳をします。
(借)前払費用 ×× (貸)現金預金 ××
②翌月の仕訳
(借)地代家賃 ×× (貸)前払費用 ××
決算のときに未経過分だけ前払費用処理するでも良いですが、上記の仕訳で毎月やっておくと、月次推移などの試算表を作るときにキレイです。
敷金・保証金
敷金や保証金は、新規契約時に支払いますよね。
これは、「将来返還されるかどうか」で会計処理が異なります。
①返還される場合
(借)敷金 ×× (貸)現金預金 ××
ないし
(借)差入保証金 ×× (貸)現金預金 ××
②返還されない場合
契約に基づき、償却(=経費化)します。
更新料
更新料とは、賃貸契約期間の満了時に契約を継続する場合に、貸主に対して支払う一時金のことです。
これは、「契約期間に渡って効果を有する」支払いという考えに基づき、税務上「繰延資産」として処理します。
つまり、即時経費にするのではなく、契約期間に渡って経費化していきます。
例:更新料が600,000円を期首に支払い(期間が3年契約の場合)
①支払い時の仕訳
(借)長期前払費用 600,000 (貸)現金預金 600,000
②決算日
(借)長期前払費用償却 200,000 (貸)長期前払費用 200,000
ただし、支払額が20万円未満の場合は、少額なものとして即時費用処理が認められます。
(借)支払手数料 ×× (貸)現金預金 ××
更新料は、税法上の繰延資産として契約年数で償却必要(最大5年)
ただし20万円未満なら、そのまま経費処理してOK
※礼金も同じです。
賃貸保証料・保証委託料
賃貸契約をする際、一般的には滞納を防ぐために「連帯保証人」を立てますが、保証会社などの第三者を使って「賃貸保証料」「保証委託料」を支払うケースがあります。
この場合も、税法上の繰延資産の考え方を適用します。
上記の「更新料」と同様の考え方で、処理してください。
消費税の処理
上記で解説した各種支払いは、消費税が課税なのか、非課税なのか?
それはおおよそ、以下の考え方で整理できます。
事業用か住宅用かで判断
事業で使用している場合(事務所、営業所)などは、消費税は課税されます。
事業用ではなく、住宅用(社宅)であれば、消費税は非課税となります。
・事業用 → 課税
・住宅用(社宅) → 非課税
敷金・保証金・更新料
上記の「事業用」or「住宅用」で判断したのち、「事業用」のケースにおいて、敷金・保証金・更新料などの支払いは以下のようになります。
・返還されるもの → 不課税
・返還されないもの → 課税
賃貸保証料・保証委託料
保証料は、国税庁が示す「主な非課税取引」のうち「預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等」の「信用の保証」に該当しますので、非課税となります。
これは、事業用・住宅用どちらも同じ取扱いとなりますので注意です。
まとめ
不動産賃貸契約に関する支払いは種類が多岐にわたり、それぞれ会計上・税務上の処理が異なりますので注意が必要です。
特に消費税の取り扱いは複雑なので、間違いのないようにしたいものです。
編集後記
サウナで水風呂に入るんですけど、水風呂って、静かに入っていないと「温度の羽衣(注)」がキープできないんです。
外部の刺激で水風呂の中に水流が発生すると温度の羽衣が破れてしまい、急に冷たく感じでしまうんですよね。
平穏な水風呂の状態を保つのは、マナーといえます。
僕は水風呂に入るためにサウナに入っているようなもんなので、だいぶデリケートに考えています。
最近、サウナ占いを勝手に考えたのですが
水風呂にそっと入る人→気遣いのできる人
バシャバシャ!っと激しく入ってくる人→気遣いのできない人
と勝手に決めつけてます。でも、だいたい当たっていると思います。
(注)温度の羽衣とは
サウナで温まった身体の熱により生成される、身体を覆うような膜のようなもの。
これのおかげで水風呂に入っていても体感的にあまり冷たくない状態となり、神聖な状態。