融資の金利について考える~条件のトータルバランスで判断する~

創業融資

こんにちは、首を痛めた税理士の磯谷です。

アクロバティックに懸垂したことが原因と考えています。

 

ところで、今回は融資を受けるときの金利(利率)について。

 

融資の条件として、重要なファクターとなるのが以下3つです。

 

①金額

②金利(利率)

③期間

 

このうち、特に多くの方が気にするのが、②の「金利(利率)」かなと思います。

金利って、なんだか気になるのです。

 

この金利、低ければ低いほど助かりますが、事業経営においては、シチュエーションによって色々バランスを見て考える必要があると思います。

 

トータルバランスでみれば、いつでもどこでも、過度に利率を低く、金利を少なくするのが正解とも限りません。

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金利と期間の関係

こういうファイナンスの世界って非常に複雑なのでアレですが、ひとつ確かなのは、金利(利率)の高低は借入期間に影響するということです。

 

・短期金利

・長期金利

 

といった概念がありますが、一般的に借入期間が長ければなるほど金利は高くなります。

 

なので、融資を受けるときには「期間」を決定しますが、返済期間を長期にする場合は、利率は高くなる傾向にあることになります。

 

10年超の返済期間などで融資を受けるケースは、設備投資などの「設備資金」名目で借りる場合が多いですよね。

これは、借入期間が長い分、相対的に利率も高めになっていきます。

 

逆に運転資金や納税資金のスポット用途なんかで借入期間が短めであれば、一般に利率は低めになります。

 

このような金利(利率)と期間の関係があるわけですが、事業資金ということで考えれば、個人的には金利の高低で借入期間を決めるというよりは、用途に応じて借入期間を考えた方が良いと思います。

 

例えば1,000万の設備投資をしたいと考えているときに、仮に「返済期間1年で利率1%」と、「返済期間10年で2.5%」の選択肢がある場合(極端ですが)。

利率が低い方が、支払利息は少なくなるので嬉しいですし、期間が短い方が総支払額は少なくなりますが、その設備投資が「どれくらいの期間で投資を回収するか」というところで考えないと、借入をしても資金繰りの面で逆に経営が苦しくなります。

 

たしかに、借入をすることによって1,000万の初期投資は工面でき、設備を導入できるかも知れませんが、1年で1,000万を返済するということは、単純にその投資によって1年で1,000万超のリターンを得ないといけないからです。

 

そういった投資の仕方をすると、だいたい投資の成果があがる前に資金ショートして死にます。

 

過去に、投資プロジェクトの必要期間を無視して初期投資を物凄い角度でまとめて実施して、常に収支のタイミングが数日ズレたら死ぬような会社を見たことがあります。これはあまりよろしくないパターンといえます。

 

金利と金額の関係

金利と金額の関係についていえば、元本の金額が大きいほど金利も総じて大きくなるわけです。

なので、先述の「期間」と合わせて、融資の条件は3つの要素で決まってくるわけですね。

 

そんなわけで、「支払う金利が大きくなるから、借入金額を抑える」という考え方が成り立つわけです。

 

これをどう考えるか。

 

ケースバイケースですが、こと創業融資といった局面であれば尚更、「金額を優先した方が良い」と僕は考えています。

 

なぜなら、利息云々の前にお金が無くなった時点で会社はつぶれてしまうからです。

 

バランスで考えたときに、金利というものに異常にフォーカスして気にされる方が多く、肝心の融資金額自体に無関心な方がいらっしゃるのが、融資サポートをしていてたまに思う次第です。

 

たしかに、利率は低い方が絶対良いし、金利総額も少なくなる方が良いに決まってますが、そもそもお金がないと会社は回りません。

 

事業は3年続くのも難しいといわれますが、最大の敗因は「資金不足」であって、「利息が多いから」ではありません。

 

なので「利息が大きいから会社が潰れた」というのは、個人的にはあり得ないと思っています。

 

また「借入が多いから会社が潰れた」というのも、個人的にはあり得ないと思っています。

 

本来、借入を受けて損するのは(=コストという意味)利息のみであって、借入返済自体は、入ってきた元本を同額になるまで返しているだけです。

 

資金が回らないとしたら、借入金や利息が大きいからではなく、「お金がないから」だけです。

 

それは、得てして融資を受けて得たお金の使途がそもそも間違っていたか、上述のように「借入期間と用途として必要な期間」の対応バランスが悪かったかといった、経営の根本のところにあるはずです。

 

1,000万の融資を受けて、利率が1%か2%だとしても、年間の負担額の差は10万です。

 

この10万のせいで経営状態が左右されるというのであれば、それはおおよそ原因は別のところにあるのでは、と思うてしまうわけです。

結論

融資を受ける際に、「金利・金額・期間」のバランスに注意するのは基本ですが、むげに金利にフォーカスしすぎると、それを使って実行しようとしているプロジェクトの期間や規模にマッチしない可能性が出てきます。

 

といっても、なかなか簡単な話ではないのですが、まずは「その融資で何をしたいのか」といった本来の目的を常に意識しつつ、金利だけが全てではないことを考えるのも必要かも知れません。

 

一般的に、手元の現金はあればあるほど経営に有利ですので、金利は手元資金を維持する保険料みたいなものと考える(割り切る)思考も必要かもしれません。

 

※仮定の利率とか計算結果は超単純化してます。単純なアタマしてるので。

 

編集後記

首が痛すぎてロボ的な動きになっています。

この間に新規面談が2件あるので、第一印象は動きが滑稽なヤツだと思われると思います。

磯谷雄大(いそやたかひろ)
書いている人
磯谷 雄大

公認会計士・税理士。
松戸市在住の37歳。
公認会計士として14年、税理士として10年経過。
主に「設立+創業融資+税務」に特化して創業初期に悩むお客様をサポートしています。
現在は「一人で自由に生きる税理士」として活動中。
事業を継続するため、健康を保つために「筋トレ+サウナ」を習慣としています。
あと、よく木更津で釣りしてます。

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