創業融資を受けるメリット~屈強な経営体制・メンタルを実現する~

創業融資

会社の設立や事業を始める時に、多くの人が悩むのが開業資金。

創業のこのタイミングに行う融資を「創業融資」と呼んだりしますが、この創業融資を受けると、思いのほか色々な効果があります。

資金確保による盤石な体制をはじめ、自身のメンタルの強度が増します。

創業前後で資金繰りに悩む方をはじめ、漠然とこれから開業を考えている段階の方の参考にお役に立てたら幸いです。

※創業融資をすることによる効果(メリットなど)をいくつかの視点でまとめていますが、創業融資の仕組みや申請方法などの説明系、また具体的な創業計画書の作成などのテクニカルな話は全く出てきませんのであしからず。そこは別の記事で書きます。いずれ。

※古宇利島のトケイ浜で心の洗浄を

スポンサーリンク

創業融資を受けるとこんな効果がある

創業融資の申請のお仕事(創業計画書の作成や公庫など金融機関とのやりとり)を税理士独立後、これまで結構な件数をやらせて頂いた経験と、そもそも自分が融資を受けた経験から判断するに、創業時に融資を受けておくことは、経営上かなり安心材料になります。

その安心材料というのが、資金的な話であるのはもちろんのこと、独立後の動き方やメンタル的な部分などにも派生して大きく影響してきます。

いくつか、その安心材料となる理由を整理してみようと思います。

開業時の資金不足を解消できる

これはまあ当たり前のことというか、当然なアレです。まずは、皆が求めているもの。

資金不足解消に役立ちます。

創業初期の悩みのうち、「資金不足」が圧倒的に多いですので、開業資金を多く確保できることは安心材料です。

例えば店舗経営など(美容院とか飲食店とか)の場合は初期投資が不可欠です。

内装、機材、看板、厨房やボイラー、空調設備など、揃えたいモノの数や性能など考えたらピンキリです。

店舗の不動産契約は敷金保証金が10ヶ月分とかかかるケースもあるし、欲しいものを積み上げていくとお金がいくらあっても足りません。

また、パソコンひとつで仕事が出来てしまうようなIT系やサービス業なども、人件費や開発費、外注などの運転資金が数か月分でいくら必要かなど、考えだしたらいくらあっても足りません。

親族からの贈与などの調達パターンもありますが、多くのケースは、借入という形で資金不足を解消します。

通常の初期投資や運転資金のほかにも、不可抗力や予測外の事態に耐えうる状態にしておくという意味でも、最初の資金はあればあるほど良いです。

ある程度お金のストックがあると、経営の決断上もここぞというときにフルスイングできるようになります。

物理的・心理的に、有利になることは間違いないと思います。

開業のタイミングをコントロールできる

事業にはタイミングというものが少なからずあると思います。

例えば世間の流行やトレンド、IT技術の向上、シェアリングエコノミーをはじめとするサービスの形、物質主義から体験や無形のものに重きを置く価値観の変化など、特に最近は環境変化が激しいです。

いわば「流れに乗る」というような感覚なのですが、この要素は経営では結構大事なんじゃないかと思うわけです。

創業融資をすると、手っ取り早く軍資金を用意出来るので、自分で開業時期をコントロールできるし、早いタイミングで勝負できます。

自分のお金を融資の世界では「自己資金」などと呼びますが、開業資金を自己資金のみで準備しようと思っていると、何年かかるかわかりませんので、だいたい開業前に挫折するか、環境が変わってしまいタイミングを逃してよくわからない状態になったりします。

だいたい、脱サラで開業しようにも給与からコツコツ貯められる人はあんまりいません。

自分で必要資金の全てを貯められれば素晴らしいですが、それを達成するまでにおじいちゃんになるか、それまでの生活を必要以上に犠牲にしてしまう可能性があります。

開業するまでがゴールではないですし、うまく創業融資を活用して早めに仕掛けられた方が、「流れに乗る」タイミングをつかめる可能性が高くなります。

お金を増やすスピードが速くなる可能性がある

商売たるもの、なかなか奥深いものですが、一つの目的として「手持のお金を使ってもっとお金を増やす」ことがいえます。

その「お金を増やす」ということでいえば、最初に資金があればあるほど、増える速度が速くなる可能性があります。

例えば、最初の手持資金が①100万円の場合と、②1,000万円の場合で考えます。

①は開業前から必死に(それはもうヒーヒーいいながら)貯めたお金だけでスタートした場合で、②は手持プラス借入をした合計でスタートしたようなイメージです。

この2パターンともに、利益率が10%の同じ事業を行うとします。

単純に考えると、①は、単年10万円の利益を得られますが、②は単年100万円の利益を得ることができます。

借入の利息を差し引いても、借入をして手持を大きくしてスタートした②の方がお金を増やす速度が速いといえます。

いわゆる、「軌道に乗る」というタイミングが早く訪れる可能性があるとも言えるのかも知れません。

単純ではありますが、理論上はそうなりますし、往々にして「ボリュームがものをいう」というケースは商売するうえではよくある話です。

小売などの業種で合致したりしますが、スケールメリットが活きる業種の場合、有利かも知れません。

自分の自由な時間を創出できる

これは実際に借入をしてみるとわかるのですが、借入をすると自分の時間が創れるようになります。

というのは、資金が無ければ、全ての行動を自分でしなければなりません。

その中には、得意なものもあれば、苦手なものもあるはず。

経営といっても、モノを売るだけが経営ではないですので、それ以外にやることは山ほどあります。

得手不得手の分野ってあるんです。

時間には限りがありますから、全てに付き合っていたらキリがありません。

この「不得手」の部分を、いかに自分がやらずに済ますか、ということは結構大事です。

そもそもかわすことが出来れば良いのですが、避けては通れないこともあるもんです。

世の中、自分の苦手をカンタンに解決してしまうツールやサービス、人材はいくらでもあります。

資金をうまく活用できれば、それらを自分がやらなくて済む選択肢が増えることになります。

そのため、自分の自由度が増すので、時間が創出できます。

経営者は時間という資源が最も貴重ですので、この「自由度が増す」ことを感じることは他の何よりもメリットかも知れません。

空いた時間を新しいことやワクワクすることに充てられるようにすることは、長い目で見て経営に必須の要素だと思います。

ビジネスモデルを整理できる

これは創業融資の申請内容に絡んできます。

というのは、創業融資を受けるときには「創業計画書」というものを作ります。

これは創業前後の実績が何もない会社に銀行はお金を貸すわけなので、審査の判断に必要になるものです。

この創業計画書は、具体的な数字を使って利益計画(売上・経費・利益)や資金計画(資金繰り)を組立てたりするので、自分のビジネスモデルを整理する良い機会になります。

いざ事業が始まってからは待ったなしですから、開業の段階で数字のイメージをある程度持っている状態は好ましいです。

根拠の無い自信のみで開業するケースも散見しますが、うまくいく人と行かない人では、この「数字に基づく結果のイメージ」が具体的に出来るか出来ないかで違ってきます。

創業融資は、自分のやろうとしている商売の仕組みを見直す・整理する良い機会になります。

何も実績が無いのに借りれる

意外に認識されていないのですが、そもそも、創業時にお金を借りれるというのは、ある種スゴイことなのです。

えーなんで?と思うかも知れませんが、良く思い出してみてほしいのですが、創業時は「実績ゼロ」だからです。

実績ゼロなのに、お金を借りれる可能性があるわけです。これは「お得」と思うべきです。

創業計画書次第なところはありますが、実績不要という前提があるのは事業をやってみるとわかります。とても有利な状況です。

これは創業時にしかない恩恵です。

事業には良い時もあれば悪いときが必ず来ますので(確率的にはだいたい少なく見積もっても100%中の100%ぐらいだと思います。戸愚呂弟ぐらいのイメージです。)、事業が始まってしまうといつでも融資を受けられるわけではないのです。

多くの人は最初「返済できるかどうか」を心配するのですが、だんだん「借りられるかどうか」の方がよっぽど心配になるはずです。

これは一般に借入というと個人の借金とか消費者金融的なマイナスイメージが先行しているからだと思うのですが、こと事業資金でいえば、お金を借りられる人の方が信用があるとも取れます。

返済のことをとても不安に思う気持ちはとても良くわかりますが、発想を変えて、借入を一度したら、あとは返済と借入を繰り返して同じ水準をキープしていけば良いとも思います。

基本的に、事業はずっと続くことを前提に開業するはずですので、見方によっては、普段はなにも借入をなくすことばかりを考えなくても良いのです。

借入をすることによって損する部分は、本来は利息だけのはずです。

なので、返済にヒーヒーいって困っている状況は、借入自体が悪いのではなく、お金の使い方が悪かったり、利益で取り戻すまでの期間を見誤っているからという理由が多いんじゃないかなと思います。

(利息も、資金を確保するための保険料だと思えば、そんなに凹むほどのものでもないかも知れません)

創業融資は、実績ゼロの段階で融資審査のリングに立てるわけですから、それ自体がメリットといえます。

まとめ

創業融資の効果(メリット)としては

・お金を確保できるメリット(基本)

・時間のメリット(開業タイミングのコントロール、自由な時間の創出)

・仕組み作りのメリット(ビジネスモデルを整理する機会)

・そもそも有利な立場というメリット(実績ゼロで良い)

大きく、こんなところでしょうか。細かくいえばまだまだありますが、借入のデメリットの数よりメリットの数の方が上回るということは確かです。

お金の遣い方や資金繰りの意識も敏感になります。

あとは借入後の使い方さえしっかりすれば!

借入できて通帳に大量のお金が入ると「よっしゃ呑み行くか!」みたいになったり何か良くわからないけれど最強になった気分になったりするタイプの方は少しだけ注意を払って頂ければなと思います。

最後の最後は、しっかり返さなければならないので。

ということで、創業融資の効果(メリットなど)について少し触れてみました。

いったん、おわりにしたいと思います。

編集後記

いま沖縄の古宇利島で10日間ステイしています。いま6日目。

目的は、場所や時間に縛られない仕事のスタイルをリアルな環境で実践的に作ることと、思考の柔軟性を上げるためです。

いつも同じ場所にいると思考自体が凝り固まるので、新しいアイデアを出やすくするために環境を変えてリセットしています。

遠隔で仕事するための仕組み作りのヒントを得たり、初見の現地食材や限られた条件下での自炊などによる脳の刺激とか、結構毎日が新鮮です。

一日一新

・自家製ソーキ

磯谷雄大(いそやたかひろ)
書いている人
磯谷 雄大

公認会計士・税理士。
松戸市在住の37歳。
公認会計士として14年、税理士として10年経過。
主に「設立+創業融資+税務」に特化して創業初期に悩むお客様をサポートしています。
現在は「一人で自由に生きる税理士」として活動中。
事業を継続するため、健康を保つために「筋トレ+サウナ」を習慣としています。
あと、よく木更津で釣りしてます。

磯谷 雄大をフォローする
創業融資
スポンサーリンク
磯谷 雄大をフォローする
フリートーク
タイトルとURLをコピーしました