創業融資を断られる事例~過去の事故履歴にご注意を~

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こんにちは、キャンプに行きたい税理士の磯谷です。焚き火したいです。

ところで今日は、創業融資のお悩み解決シリーズとして「融資が受けられない場合」を検討していきたいと思います。

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創業融資が受けられない場合

会社を設立したり個人事業で開業するときに悩む筆頭が「資金不足」です。

この資金不足を解消するツールとして創業融資という選択肢があるわけですが、誰もが融資を受けられるわけではありません。

そのうち、創業計画書の中身(利益計画などのテクニカルな部分)によって断られるケースは私の経験上は稀で(というか、まったくゼロ)、経営者本人の過去(トラブル等)に起因するケースがネックになることが多いです。

ここでは、申請先のファーストチョイスとなる㈱日本政策金融公庫(以下、公庫)の場合を例に、融資が受けられない事例を見ていきます。

※必ずしも、以下に該当するだけで即アウトというわけでもありませんが、かなり不利になる材料としてご理解ください。

税金の未納、滞納

まずはこれです。税金の未納や滞納。

公庫は、国が100%の株式を持つ政府系金融機関といわれるものですので、運営は税金です。

したがって、融資を出すかどうかの判断材料として、経営者が過去にしっかり税金を納めているかどうかは重要なポイントとなります。

開業前はサラリーマンで、給与で源泉税を引かれつつ、年末調整を受けているような方であれば、所得税や住民税も自動的に納付できているので、気にする必要はありません。

問題は個人事業主から法人成りする場合などです。

この場合は、過去2~3年分の確定申告書や納税証明を出す必要があることが多いので、何気に未納、滞納していたというケースもあります。

もし滞納など実際にしている場合は、時すでに遅しな感もありますが、少なくとも融資申請の前に全納して解消しておきましょう。

公共料金の滞納

次は、公共料金の滞納があるかどうかです。

これは、審査の際に通帳を見られますので、そこで定期的に引落されているか、またヒアリングや納付書の提示を求められるケースもあります。

公共料金はインフラ系の支払いなので、税金に近いためこのような確認があります。

クレジット事故による信用情報のキズ

クレジットカードの利用規模も大きくなってますので、最近はこのパターンの相談をよく受けます。

クレジットカードで引落事故が起きると、信用情報機関(CICなど)に事故履歴が残ります。

このCIC(Credit Information Centor)は、加盟会員であるクレジット会社、銀行、リース会社、保険会社、携帯電話会社などから個人の履歴情報などを収集しており、必要に応じて情報照会できる機関です。

信用情報は、個人の属性、支払状況、契約内容、残債額などが蓄積されるため、何か事故が起こった場合には、その履歴も残ってしまいます。

これは、公庫もCICに加盟しているため、そこでの情報は当然チェックします。

クレジット情報(利用履歴や延滞の有無、延滞解消日など)の保有期間は、「契約期間中及び契約終了後5年以内」とされていますので、少なくとも5年以内のクレジット履歴はきれいにしておきたいところです。

なお、信用情報機関はCICのほか、JICC、KSCなどもありますが、公庫としては、基本的にCICの情報に基づき判断していくそうです。

ちなみに、消費者金融からの借入残高がある時点でアウトという話もありますが、これはそうでもないです。

消費者金融の残債があっても審査を通した事例はあります。

但し、残高をすぐに消せるようでしたら、審査の前にクリーンにしておきましょう。

破産

これはもうアウトです。省略。

自己資金がゼロ

これも基本的にアウトです。

基本的に、公庫は自己資金の要件があります。(他の銀行もそうですが)

公庫HPのQ&Aによると、創業資金全体に占める自己資金の割合は、27%と公表しています。(※)

※「2013年度新規開業実態調査」(日本政策金融公庫 総合研究調べ)

つまり、約3割は自己資金ということになります。

開業資金総額で1,000万必要だとすれば、自己資金は約270万~300万という目安です。

いまは、創業融資の自己資金要件としては総額に対して1/10の自己資金が求められますが、以前は1/3でした。

その名残もあり、やはり3割ぐらいは自己資金の目安として考えておきたいところです。

また、自己資金ゼロというのは、このような比率やバランスによるところも当然ですが、何より経営者の資質に疑問が湧いてしまうということが大きいです。

つまり、「思いつきで開業する」「準備が出来ていない」みたいな印象となるため、今後の事業も計画的に出来るのか、継続できるのかという疑問に繋がっていくわけです。

自己資金は、経営者資質を探るポイントとしても大きな役割となっています。

※自己資金要件が無い融資制度もありますが、それでもゼロというのはやはり難しいです。

まとめ

このように、融資を受けられないケースとして、経営者の過去の履歴がネックになるケースがあります。

融資を受ける際には自分の過去について少し思い出してみましょう。

過去の事実は消せませんが、出来るだけ履歴を消すことに全力を注いでください。

自分で思い当たらなくても、クレジット履歴にキズがある方は大なり小なりいらっしゃいます。

私の事務所では、ご依頼を受けるまえにこのような過去や周辺環境をヒアリングしています。

でないと、いくら創業計画書を仕上げても、そもそもリングに立てていない場合があるためです。

こうなると、開業自体の再検討も必要になるケースもあるため、最初にしっかり確認していきたいところです。

編集後記

今日は新規開業された介護系の法人クライアントの事務所に午前中お邪魔しました。

事務所の内覧をさせて頂いたのですが、備品や設備が徐々に揃い始めていて、やる気に満ちた感じで僕も元気をもらいました。

今日のトレーニング記録

・プッシュアップ 20回×5セット

・プルアップ 10回×5セット

・アンイーブンプルアップ 5回×2セット(左右)

・ハンギング・ストレート・レッグレイズ 10回×2セット

・フル・ブリッジ 10回×2セット

磯谷雄大(いそやたかひろ)
書いている人
磯谷 雄大

公認会計士・税理士。
松戸市在住の37歳。
公認会計士として14年、税理士として10年経過。
主に「設立+創業融資+税務」に特化して創業初期に悩むお客様をサポートしています。
現在は「一人で自由に生きる税理士」として活動中。
事業を継続するため、健康を保つために「筋トレ+サウナ」を習慣としています。
あと、よく木更津で釣りしてます。

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